2010年09月13日

ベトナム戦闘従軍記

ベトナム戦闘従軍記
9月5日は毎年恒例のナム戦でした!
パルチザンからはベトコンとしてMAKZ・幸村・サカグチ・コバルトが参加しました。

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1974年9月5日

今日はレイバーデーだ。祖国では秋の筈なのに、くそったれな熱さでその日は明けた。
ジャングルの鬱蒼とした湿り気が気分を最悪なものにさせてくれる。
私がこの部隊の従軍記者として同伴してから28日目の朝の事だ。

私がここに来た時、第4機械化歩兵師団第48中隊は活気のある部隊であったが
連日に渡るゲリラの襲撃で死亡者多数、補給もなく隊機能が成り立たなくなりつつあった。
そして、前日の攻撃で残り4名となり、
「神様、俺はこんなこんな東南アジアの片田舎で腐乱死体にでもなるのかい?」
とココに送り込んだデスクに怨みの一つでも投げつけてやりたいと思ったものだ。
業を煮やした司令部は、助け舟とも言える部隊を送り込んできた。
聞く所によると、エリート部隊であるらしい。なんにせよ、もう少し私は生きれるようだ。

部隊は壊滅寸前とは言えど、ベトコンの本拠地近くまで来てはいる。
そんな状態だから、司令部は引くわけにはいかないのだろう。
それにしても、あのベトコンのしつこさと行ったら尋常じゃない。
1歩進めばトラップがあるような状況だ。銃撃で死ぬよりトラップで死ぬ仲間の方が遥かに多い。
くそったれなベトコンは私達の仲間の死体に手榴弾を仕掛けてやがった、それで2、3人が吹っ飛んだ。
そんな状態だから遺体には触れない。ただ腐って行く仲間を見てるだけなのは精神がおかしくなる。
これでさっさと制圧しろって事に無理がある。兵士の士気も下がりっぱなしだ。

ベトナム戦闘従軍記
そして、今日である。まるでフロリダの太陽のように熱線が身体を焼く。
違うとすればこの場所が最悪な湿度と植物や毒虫・毒蛇だらけって事だけどな。
特殊部隊と残り兵力で7人で小隊を組み、ベトコンの本拠地へと向かう。場所は分かっている。
ただ勢力がさっぱり分からない。一人かもしれないし、百人かも千人しれない。
女、子供だって居るかもしれない。ひたすら恐怖と戦う時間が始まる。
捜索を開始して3時間、omi二等兵が何かを見つけようだ。
不自然に動くソレは、明らかに人である。威嚇か牽制か。出れば必ず罠がある。
そう思うと攻撃は出来ない。だれだって死にたくはないだろう?


ベトナム戦闘従軍記
「ダダダッ」突然のカラシニコフの音に私は不意を食らった。
「ダダッ」「ダダダダダッ」訓練されてない銃撃の間隔は明らかにソレを分かる。
「タタタ、タタタ」間髪いれずに部隊からも応戦する。
意味不明な言葉が響いた後、銃声は止まった。どうやら一人やったらしい。
IZM隊員が鮮やかな手つきでトラップ解除しながら死体を乗り越えていく。
突然、衝撃音が響く。「グレネードだ!奴らグレネードもってるぞ!」
誰かが叫ぶ。途端、私は地面に伏せられ押さえ込まれた。
「ダダッ」「・・・グェ」誰かの声が聞こえた。ベトコンの声ではない。
だが誰がやられたのか地面にめり込んでる私には確認のしようがない。
あぁ、どうか神様、ご加護を。

ベトナム戦闘従軍記
「こちらSOG..ザッ、制圧!制圧!ポイント1制圧完了.. オーバー」
無線機から流れてきた声に心から安堵した。
その瞬間だった、「やられた!やられた!」絶叫が響き渡る。
「状況!」特殊部隊の部隊長らしき人が叫ぶ。
「敵はM16を鹵獲してる模様!方向11時!人数不明!距離不明!」
「部隊を分けろ!!俺は崖から回る」
「了解、こちらは3名1時方向から迂回、牽制する」

ベトナム戦闘従軍記
静かすぎる時間が始まる。する音は風にさざめく植物の音と足音。
そして自分の吐き出す息の音だけだ。もう出撃してから6時間が経っている。
私は一生分の恐怖をこの日に味わったかもしれない。
あれから1時間・・・たった200mmを進むのに掛かった時間だ。

ベトナム戦闘従軍記
突然、周りが暗くなったかと思うと「ポタッ、パタタタッ、ザー」
スコールが降り出した。あの太陽から一転、今度は湿度の地獄だ。
「ッ、ターン・・・」遠くで銃声が響く音が聞こえる。
「ザ・・・こちらSOGリーダー、例のベトコンを射殺した。
ポイント2を制圧。各自ポイント2へ集合せよ。オーバー」

ベトナム戦闘従軍記
いよいよ、本拠地は目前だろう。
しかしライフル弾はない。各自装備はすでにハンドガンだけになっている。
相手はカラシニコフやグレネードまで備えている。一層、精神力の消耗させる。
すでに頭の中は現実か夢の区別すらも曖昧な状況だ。
このまま死んでも、きっと夢なんだろうと思えるだろう。
そう考えるとこのまま死んでしまいたかった。スコールの後の湿気に復活した太陽。
纏わりつく吸血ヒルはまさにこの世の地獄だった。

<ベトナム戦闘従軍記
後ろから銃声が聞こえた。特殊部隊の隊員の一人が崩れ落ちる。私の直ぐ後ろでの事だ。
聞いた事の無い音だった。夢と現実の狭間で混乱する。部隊も混乱してるようだった。
「なぜ敵は後ろにいた?」「私も撃たれるのか?」「もう撃たれたのか?」
「落着け、敵はSVDを持っている。ソヴィエトのスナイパライフルだ。近いぞ。」
落ち着きはらったリーダーの声、そして直ぐみ銃声と共に絶命の声が聞こえた。
「クリアー」「よし、進もう」 

ベトナム戦闘従軍記
1km程進んだだろうか。突然の発砲音と同時に耳元を風切り音が抜けていった。
刹那、左肩に激痛を覚え私はうずくまった。「撃たれた?」「死ぬのか?」
混沌とした記憶の中で「貫通創だ。弾・・・・抜け・・・い・・。お・・・!メデ・・・ク!」
もう、その後は覚えていない。
その後1時間にも及ぶ銃撃戦が続き、頭の中は真っ白になってしまった。
何かを考えていたかもしれない。何も考えてなかったのかもしれない。
激痛と喉の乾きとずぶ濡れの着衣の感触から生きてる事だけはかろうじて確認できた。

・・・・

「こちら、SOGリーダー。敵勢力を殲滅、ポイント3を制圧。
作戦終了だ。生き残った奴はポイント3へ集合、オーバー」
ベトナム戦闘従軍記







「グッドラック、シーユー...」
そう言って、私は迎えのヘリに乗り込んだ。
隊員の皆は笑顔で見送ってくれた。彼らはまた、別の任務に付くのだろう。
だがもう会う事もない。私はアメリカの本社に戻る事となった。
だから「アゲイン」とは言えなかった。少しの悔しさで唇をかみ締め
眼下に離れて行くジャングを見ながら、彼らの未来を祈らずには居られなかった。

ベトナム戦闘従軍記
ベトナムのジャングルの中で戦った戦友たちへ。

1974年9月14日 NMN記者 MAKZ・D・CHOU

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こんなかなー?あんなかなー?とストーリーを考えてたら遅くなりました。
来年も楽しみですね!期待してます!

ベトナム戦闘従軍記
さっぱり写真の出番のなかったベトコンの皆様(w





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Posted by MAKZ  at 13:59 │Comments(3)ゲーム

この記事へのコメント
こちらでは、はじめまして、
隠居親父と申します。
趣味はそら耳と妄想です。

いつも楽しく拝見させていただいています。
毎回、思うのですが、画像がたいへん素晴らしい!
まるで、写っている人の生霊(もとい!w)、
魂が入っているかのように、臨場感を感じます。
更新を楽しみにしているので、
これからも、頑張ってつづけてくださいw

以上、長文を失礼しました。
Posted by 隠居親父(Small BOSS) at 2010年09月16日 08:03
どうも‐! LRRPのOmi二等兵です いや~どんな仕上がりになってるか?と思うてましたが 毎回すばらしい! コメントもあの場にいた自分たちの気分をそのまま表してあって ニヤリ としてしまいました! ベトコンの皆様役のパルチザンやBLCのメンバーの方がたの行動もすごく不気味で いけてました それでは又、楽しみにしてますこれからも このコーナー頑張ってください☆
Posted by Omi二等兵 at 2010年09月16日 12:46
>>隠居親父さん
いらっしゃいませ!
人を撮るのは楽しいですからねー。普段は女性モデルか子供
ご老人しか撮ってないので漢迸る方々を撮るのは楽しいです(笑
基本的に更新はゲームに参加した後しかしませんが
よろしくお願いします♪

>>omiさん
更新が遅くなってすいませんでした><
なるべくあの時の状況を実線だったらどんな状況なのか?
に変換しました。多少、脚色はしてますけどね(笑
また次のゲームでよろしくお願いします!
Posted by MAKZMAKZ at 2010年09月17日 10:21
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